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Report活動報告

令和6年第2回定例会本会議代表質問 要旨・答弁・要望記録

 令和6年6月18日(火)本会議 代表質問

 

1 県政運営における重要な取組について

(質問要旨)

(1) 新かながわグランドデザイン実施計画の評価について

新たな総合計画である「新かながわグランドデザイン」が、4月からいよいよスタートした。

少子高齢化・人口減少が進み、今後、財源・人的資源が限られていくことが見込まれる中、限られた資源を有効に活用していくためには、計画どおり施策を実施できたかどうかだけでなく、その施策の効果についても検証していくことが求められる。

そうしたことから、県民に成果を実感していただくには、EBPMの考え方により、証拠に基づいて政策評価を行っていくことが重要であると考える。

そこで、新たに策定された「新かながわグランドデザイン実施計画」では、政策評価をどのように行っていくのか、その基本的な考え方について、所見を伺う。

 

(知事答弁)

菅原議員の御質問に順次お答えしてまいります。

県政運営における重要な取組について何点かお尋ねがありました。

まず、新かながわグランドデザイン実施計画の評価についてです。

限られた予算・人的資源を有効に活用し、県民の皆様に、より信頼される行政を展開するためには、EBPM、証拠に基づく政策立案が重要となっています。

そこで、実施計画の策定にあたっては、EBPMの考え方を取り入れ、事業の実施から政策目的の達成までの論理的な関係をロジックモデルとして示しました。

そのうえで、事業の成果を検証できるよう、プロジェクトの達成度を象徴的に示す指標と、事業の進捗を測るKPIという2段階の数値目標を設定しています。

今後、計画の評価にあたっては、これら数値目標の達成状況を把握することに加え、全国比較が可能な国の統計データなども活用し、多角的な視点で総合的に評価を行っていきます。

さらに、ロジックモデルを評価にも活用し、政策目的に対して事業が適切だったか、という視点で検証を行い、政策運営の改善につなげていきます。

こうした考え方の下、今後、総合計画審議会のご意見をいただきながら、政策評価を行い、その評価に基づき政策運営の改善を図るPDCAサイクルを回すことで、計画を着実に推進して

まいります。

(再質問)

なし

【要望】

なし

 

(質問要旨)

(2) 今後の地方創生のあり方について

現在、県は、「神奈川県まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づいて様々な取組を進めていると承知している。

こうした取組と、その効果については、様々な立場の第三者から専門的知見に基づく評価をいただきながら、しっかりと検証することが求められる。この検証に基づいて、取組の見直しはもちろん、必要に応じて総合戦略そのものの見直しも行うという、PDCAサイクルをしっかりと回すことが重要である。

そこで、①県はこれまで、総合戦略に基づく地方創生の取組をどのように進めてきたのか。②また、今後に向けては、その取組についてしっかりと評価したうえで、施策に反映させていくべきと考えるが、所見を伺う。

 

(知事答弁)

次に、今後の地方創生のあり方についてです。

まず、これまでの地方創生の取組についてです。

10年前のいわゆる「増田レポート」による消滅可能性自治体の公表などを機に、国は人口減少問題に対して、「まち・ひと・しごと創生法」を制定し、さらに、「まち・ひと・しごと創生

総合戦略」を策定しました。

本県でも、こうした動きを受けて「神奈川県まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し、毎年度、人口減少に歯止めをかけるための取組を推進してきました。

また、今年3月には、デジタルを活用した新たな取組などを第3期総合戦略に位置付け、地方創生の加速化・深化を図っています。

次に、取組の評価の施策への反映についてです。

地方創生の取組については、有識者で構成される「神奈川県地方創生推進会議」から、毎年度、評価や意見をいただき、それらを施策に反映することで、政策運営の改善につなげていきます。

また、今年度から、女性や外国籍の方に加え、新たに障がい当事者の方に推進会議の委員に就任いただき、当事者目線による評価の幅が広がりました。

そのため、こうした当事者目線の評価をしっかりと施策に反映させることで、より効果的な、神奈川らしい地方創生の取組を進めていきます。

県は、このように、PDCAサイクルをまわしながら、県民総ぐるみで、総合戦略を軸とした地方創生に取り組んでまいります。

 

【要望】

なし

 

(質問要旨)

(3) 精神障がい者への支援の充実について

今年3月には「神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例ともに生きる社会を目指して」に基づく基本計画を策定しており、この中では、「地域生活移行支援等の充実」や「就労支援の充実」

など、精神障がい者への支援にとって、重要な施策も位置付けられている。

この基本計画は、パブリックコメントなどを通じて、多くの意見が寄せられるなど関係者の関心も高く、その実効性が問われているところであり、計画に位置付けられた施策については、絵に描いた餅で終わらせてはならず、精神障がい者が、地域社会の一員として安心して暮らしていくことができるよう、しっかりと取組みを進めていく必要があると考える。

そこで、精神障がい者への支援の充実に向けて、どのように取り組んでいこうと考えているのか、所見を伺う。

 

(知事答弁)

次に、精神障がい者への支援の充実についてです。

県は、精神科病院の長期入院患者の地域移行を進めるとともに、保健福祉事務所ごとに協議の場を設置し、医療や障害福祉サービスなど、地域における精神障がい者への支援の充実に取り組んできました。

しかし、精神科病院の長期入院患者の地域移行はなかなか進まず、県内の精神科病院に1年以上入院している精神障がい者は、令和5年6月末時点で6,419人と、10年前の6,748人と比べても大きくは変わっていない状況です。

そこで県は、長期入院患者の地域移行を促進するため、精神障がい当事者であるピアサポーターが、支援機関とともに、患者の不安や将来の希望を伺い、地域生活を実現させていく取組を開始しました。

また、地域生活の中で、就労を希望し、障害者就業・生活支援センターで支援を受ける精神障がい者は、令和5年度には、10年前の約4倍となる2,480人と年々増えており、体制の強化が必要です。

そこで県は、増加する精神障がい者の相談ニーズにきめ細かく対応するため、障害者就業・生活支援センターに、精神保健福祉士等の高い専門性を有する職員を新たに配置しました。

県は、これらの取組により、精神障がい者一人ひとりのニーズをしっかりと把握し、地域で安心して生活できるよう、支援を充実してまいります。

 

(質問要旨)

(4)公契約条例について

令和6年5月に外部有識者等で構成する「公契約に関する協議会」より報告書が提出され、その中で「今日時点では公契約条例により賃金を下支えする状況ではない」との認識が示された。

しかし、賃上げは、景気や企業収益の状況などに大きく左右されるもので、十分な賃上げが将来にわたって継続するかは不透明であり、今後、公契約条例によって賃金を下支えする必要性が高まってくることも考えられる。

県は、この度の協議会で公契約条例の必要性の議論を終えるのではなく、労働者を取り巻く環境に今後も注視し、時機を見て、協議会を改めて開催するなど、賃金下限額を規定した公契約条例の制定について検討を行う必要があると考える。

そこで、今回の「公契約に関する協議会」からの報告書を受け、今後どのように対応していくのか、所見を伺う。

 

(知事答弁)

次に、公契約条例についてです。

「公契約に関する協議会」は、公契約条例の必要性について、学識経験者や関係団体からご意見を伺うため、平成25年度に初めて開催されましたが、当時は意見の一致は見られませんでした。

それから約10年が経過し、賃金や労働環境が大きく変化していることから、令和5年度、改めて協議会を開催しました。今回の協議会では、10年前には議論の中心であった、賃金下限額を規定した賃金条例について、今は条例により賃金を下支えする状況にはないことが確認されました。

また、建設業界などは、2024年問題と言われる時間外労働の上限規制への対応等に直面し、先が見通せず、条例のあり方については、協議会として議論をさらに深めることは難しい状況でした。

そこで、県は、2024年問題への対応結果や影響が明らかになった段階で、それまでの間の労働環境や社会情勢の更なる変化も踏まえたうえで、労働者、事業者双方にとって意義のある公契約の制度や条例のあり方などを検討していきます。

そのためにも、協議会から指摘のあった入札制度等の見直しや、賃金実態調査に引き続き取り組んでまいります。

 

【要望】

東京都では、公契約条例ではないものの「社会的責任のある公共調達指針(案)」を作成すべく、昨年より有識者会議を開催しており、この3月にはパブリックコメントも行っています。

質問でも申しあげましたが、労働者を取り巻く環境に今後も注視し、時機を見て、協議会を改めて開催するなど、公契約条例の制定について引き続き検討を行っていただきますよう要望いたします。

 

(質問要旨)

(5)オスプレイの安全対策等について

令和5年11月に発生した鹿児島県屋久島沖の米空軍のオスプレイ墜落事故の発生自体は日米地位協定が原因とまでは言えないが、事故後の情報提供が不十分なものとなっている背景には、やはり、日米地位協定上の課題があると考える。日米両国政府間が協議を行う際には、国民や地方自治体に向けた情報提供が十分に考慮されるよう、日米地位協定を見直すべきである。

そこで、これまでの国の対応を踏まえ、オスプレイに対する県民の不安払しょくにどのように取り組んでいくのか、また、今回の事故を通じて明らかになった、日米地位協定上の課題の解決にどのように取り組んでいくのか、所見を伺う。

 

(知事答弁)

次に、オスプレイの安全対策等についてです。

オスプレイを含む航空機の安全・安心の確保は極めて重要であり、万が一、事故が発生した場合も、万全の再発防止策と適時適切な情報提供が必要です。

しかし、今回のオスプレイ墜落事故後の国からの情報提供は、事故原因や再発防止策の詳細が不明であるなど課題があり、県民の皆様の不安を招いています。

また、今回に限らず米軍の事故が起きた際、速やかに十分な情報が得られにくい背景には、日米地位協定上、米軍には情報提供の義務がなく、日米合同委員会の協議も非公開になっているという課題があります。

本県では、これまでも渉外知事会を通じ、日米地位協定を改定し、日米合同委員会の協議を含め、できる限り基地に係る情報を公表するよう国に求めてきましたが、地位協定の改定は実現していません。

今後の取組ですが、オスプレイの安全性への県民の皆様の不安払拭のため、事故原因や安全対策の詳細を早期に公表するよう、引き続き、国に働きかけます。

また、今回の事故を踏まえ、日米地位協定を改定し、できる限り基地に係る情報提供がなされるよう、渉外知事会を通じ、粘り強く国に働きかけます。

さらに、今回の事故における一連の対応を検証したうえで、事故の再発防止や、事故対応も含めた日米両国の平時からの安全管理体制強化を求める要請の実施を、関係自治体とともに検討してまいります。

 

【要望】

なし

 

 (質問要旨)

(6)教員の働き方改革について

令和6年第1回定例会では、我が会派からの質問に対し、教育長から、若手教員によるプロジェクトチームから出される提言をしっかりと受け止め、働き方改革をさらに進めていくとの答弁があり、3月には、提言が教育長に提出されたと承知している。

県教育委員会が、働き方改革をしっかりと進めていく姿勢を示し取り組むことは、現場の教員の期待に応えるのみならず、教員を志している方々にとっても、志願先を選ぶ上で、大きな要素になるそこで、若手教員プロジェクトチームからの提言をどのように受け止め、今後、教員の働き方改革をどのように進めていくのか、所見を伺う。(教育長)

 

(教育長答弁)

教育関係のご質問にお答えします。

教員の働き方改革についてお尋ねがありました。

本年3月、教員の働き方改革に関して、若手教員プロジェクトチームから、「教員の意識改革」や「保護者・地域住民の理解」、「業務の削減・適正化」などの視点で、11項目の提言がなされました。

これは、現場の若手教員が、半年以上にわたる議論をまとめた、切実な思いと受け止めています。

これら提言の中には、採点システムの導入など、予算措置が必要なものや、教員定数の改善など、国の対応が必要なものがあります。

一方で、調査・照会の削減など、県教育委員会の判断で、速やかに行える取組もあります。

そこで現在、県教育委員会が学校に対して行っている年間200件程度の調査などについて、改めてその必要性を検討し、可能な限り削減するよう、私から事務局に指示しました。

また、教員定数や処遇の改善等については、国の中央教育審議会で、具体的な議論も進められていますので、本県としても、その実現に向けて、国に強く要望していきます。

県教育委員会では、こうした取組を含めて、今年度改定する「神奈川の教員の働き方改革に関する指針」で、若手教員からなされた提言を、可能な限り具体化し、働き方改革をしっかりと進めてまいります。

 

(再質問要旨)

若手教員からの提言について、可能な限り具体化するとの答弁をいただいたところですが、このプロジェクトチームには、市町村立の小・中学校の教員も参加していると伺っている。

県立だけでなく、市町村立小・中学校への取組も含めて、働き方改革を進める必要があると思いますが、改めて教育長の考え方を伺いたいと思う。

 

(教育長答弁)

教育関係の再質問にお答えします。

市町村立の小・中学校への働き方改革の取組について、お尋ねがありました。

提言の具体化にあたっては、小・中学校を所管する市町村教育委員会の協力が欠かせませんので、現在、提言内容を共有した上で、今後の具体的な取組について、協議を進めているところであります。

今後も、市町村教育委員会としっかりと連携をしながら、働き方改革を実効性あるものとしてまいります。

 

【要望】

教育長から力強く答弁をいただきました。

若手教員から出された、この提言を踏まえて、着実に、かつ早期に、働き方改革を実現していただきたいと考えています。

それによって、引き続き、選ばれ続ける職種になると考えています。

教育委員会の取組を、会派としても注視をしてまいりたいと思います。

 

2 県民の安全・安心につながる取組について

(質問要旨)

(1)交通安全対策に関する普及啓発について

自転車利用者への反則金、いわゆる青切符制度の導入を柱とした改正道路交通法が、先日、参議院本会議で可決成立した。

自転車の交通安全対策に関する広報啓発については16歳以上の未成年もいわゆる青切符制度の対象に含まれることから、高校生を中心とした若者世代に対して、ヘルメットの着用を含め、基本的な交通ルールやマナーの啓発をしっかり行っていく必要があると思う。

そこで、知事に伺う。県は、道路交通法の改正を契機として、自転車事故を無くすための交通安全対策に、今後どのように取り組んでいくのか。

 

(答弁)

県民の安全・安心につながる取組について何点かお尋ねがありました。まず、自転車の交通安全対策に関する普及啓発等についてです。

県内では、昨年2万件を超える交通事故が発生し、このうち自転車関連の事故は、全体の約4分の1を占めていることから、自転車の事故防止対策にしっかりと取り組む必要があります。

県は、自転車事故の発生割合が高いなどの市区町村を「自転車交通事故多発地域」に指定し、ヘルメット着用の呼び掛け等を行っている他、九都県市一斉自転車マナーアップ強化月間に、県警察と合同キャンペーンを開催するなど、重点的な対策を行っています。

こうした中、今後、16歳以上を対象に青切符制度が導入されることから、若い世代に交通ルールやマナーの遵守を、しっかり働きかけていくことが重要です。

そこで、県は、自転車の交通ルールやマナーをイラストを用いて分かりやすく説明した自転車ルールブックをホームページやSNSを通じて発信するほか、今年度から県内全ての高校1年生約7万人に、直接配布し周知に努めていきます。

また、ヘルメット着用への理解を深めてもらうため、7月に高校生を対象に、自転車ヘルメットフォトアンドデザインコンテストを開催し、最優秀作品を啓発用ポスターに採用するほか、企業にも商品化の提案をしたいと考えています。

県は、今後も、県警察をはじめ関係機関と連携し、若い世代に対する交通安全対策の普及啓発に努め、自転車の事故防止に取り組んでまいります。

 

【要望】

なし

 

(質問要旨)

(2)  感染症に関する平時からの情報発信について

多くの県民は、新型コロナを含め、どのような感染症が流行しているのか自ら積極的に情報収集することは困難ではないかと思う。

県は、コロナ禍においては、積極的に情報発信を行ってきたが、平時においても感染状況や感染対策について積極的に情報発信を行っていくべきであると考える。

そこで、県民生活に重要な影響を与える様々な感染症に関する平時からの情報発信について、どのように取り組んでいくのか、所見を伺う。

 

(知事答弁)

次に、感染症に関する平時からの情報発信についてです。

県では、5類に移行した新型コロナウイルス感染症をはじめ、20以上の身近な感染症について、各地域の医療機関から定期的に患者数を報告いただく「定点観測」を行い、県のホームページでその状況をお知らせしています。

また、季節性インフルエンザなどについては、感染者数が一定数を超えた場合に「注意報」や「警報」を発信し、県民の皆様に手洗いなどの基本的な対策を呼び掛けています。

一方、今後もコロナをはじめ様々な感染症の流行が予想されることから、そうした情報を日頃から、よりタイムリーに発信していくことが重要です。

そこで県では、コロナ流行時に全国に先駆けて導入した「LINEコロナパーソナルサポート」を引き続き活用していきます。

このサービスには160万人以上が登録いただいていますので、例えば「こどもを中心にRS(アールエス)ウイルスが流行しつつある」といったメッセージなど、コロナ以外の感染症についても、プッシュ型で情報を発信していきます。

併せて、感染症の流行状況をお知らせしているホームページについても、より分かりやすくなるよう内容を工夫していきます。

こうした取組により、今後も感染症に関する平時からの情報発信に努めてまいります。

 

(再質問)

まず、感染症に関する平時からの情報発信についてです。「LINEコロナパーソナルサポート」は「友だち」登録している人が160万人以上いるが、ブロックしている人も一定数いると思われる。

こうした方を含めて、今後どのように利用を促進していくのか。

 

(再質問への答弁)

「LINEコロナパーソナルサポート」の利用について、お尋ねがありました。

新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行した現在でも、「LINEコロナパーソナル 他のLINEサービスと比べると、ブロックしている方の割合は少ない状況ですが、今後もコロナだけでなく他のLINEサービスと比べると、ブロックしている方の割合は少ない状況ですが、今後もコロナだけでなくもパーソナルサポートの利用をあらためて呼び掛けてまいります。

 

【要望】

次に、感染症に関する平時からの情報発信についてです。

160万人以上の方が登録しているこのアカウントは、感染症に対してリアルタイムな情報を得られる有効なツールであることは間違いないと認識しています。

ブロックされている方も相当数いるようでありましたけれども、解除していただけるように、広報や周知に取り組んでいただくことを要望いたします。

 

(質問要旨)

(3)ヘリコプターを活用した防災対策の強化について

本県のヘリコプターの運用については、横浜市、川崎市にお願いしているが、例えば両市でヘリコプターの需要が発生した際には、県として優先的に使用することが困難となることが予想され、県内市町村の求めに応じた出動がままならなくなるのではないか。

また、大規模災害時には、全国の防災関係機関に遅滞なく、適切に応援要請を行い、県内の多数の被災現場に投入する、いわゆる受援の調整も大切であり、それを円滑に行うための体制整備

も県の大きな役割だと思う。

県は、本年度、新たな地震防災戦略の検討に取り組んでいるが、ヘリコプターの活用など、県の防災対策を検証する好機だと思う。

そこで、新たなヘリコプターの導入や、全国からのヘリコプターの受援体制の整備など、ヘリコプターを活用した防災対策の強化にどのように取り組むのか、所見を伺う。

 

(知事答弁)

次に、ヘリコプターを活用した防災対策の強化についてです。

地震発生後、全国からの応援活動が本格化するまでの間、いち早く被災情報を把握し、迅速な救出等につなげるためには、ヘリコプターが有効です。

現在、県は、政令市や県警察に、ヘリコプターの運用を委ねていますが、県全域が被災する大規模災害時でも、県が初動の応急対応を統括する為には、ヘリコプターを直接、機動的に運用できる体制が必要です。

そこで、県として、ヘリコプターの導入に向けた検討を行うこととし、運航方法や駐機場所の確保など、導入に係る様々な課題について、関係機関と直ちに調整を進めるよう、私から指示しました。

また、全国から応援にくるヘリコプターの受け入れについては、県災害対策本部に設置した航空機運用調整班が、消防や警察、自衛隊等の防災関係機関と連携して、ヘリコプターの応援活動を一元的に調整する体制を確保し、訓練も重ねています。

さらに、ビッグレスキューでは、在日米軍も加わり、ヘリコプターによる情報収集や救出救助などの実践的な訓練も行い、実働面での連携も図っています。

このほか、市町村と連携し、応援のヘリコプターの集結場所となるフォワードベースを6箇所、臨時離着陸場所も32箇所確保しています。

県は、今年度とりまとめる新たな地震防災戦略に、航空機の運用体制の充実を図る方向性を位置づけ、防災対策の強化につなげてまいります。

 

【要望】

次に、ヘリコプターを活用した防災対策の強化についてであります。昨今のテクノロジーはですね、進展していまして、ドローン技術の進展も著しいと認識しています。当時所有していたヘリコプターの県政利用や写真撮影等は概ねドローン技術で代替できるのではないかと仄聞もするところであります。

ヘリコプターは、ヘリコプターにしかできないこと、ドローンでもできることを役割分担していただきまして、災害における適切な運用を検討していただくことを要望いたします。

 

(質問要旨)

(4) 自殺対策の更なる推進について

自殺は様々な要因が絡み合うことから、自殺対策の決め手、いわゆる特効薬となるような施策を展開することは難しい。だからこそ、全方位からのアプローチが必要であり、あらゆる施策にしっかりと取り組んでいかなければならない。

そこで、本県における自殺対策をさらに進めていくため、どのように取り組んでいくのか、所見を伺う。

 

(知事答弁)

次に、自殺対策の更なる推進についてです。                     

本県の自殺者数は、平成23年の1,852人をピークに減少傾向にありますが、昨年は1,366人と、直近の5年間で最も多くなっており、自殺対策をより一層進めていくことが必要です。

県ではこれまで、悩みを抱える方のために「こころの電話相談」をフリーダイヤル化し、順次拡大するとともに、令和2年度からは、LINEによる相談も行っています。          

この4月からは、電話相談の規模をさらに拡大するとともに、死にたい気持ちが強いなど、緊急の相談に優先的に対応する専用回線を新たに設けたところです。

また、LINE相談についても、相談時間を従来の「夜10時まで」から「深夜0時まで」に延長しました。

今後は、こうした取組に加えて、悩みを抱える方や周囲で支える方々が必要とする情報を、より簡単に入手できるポータルサイトを、新たに作成する予定です。

このサイトには、相談窓口をはじめ、市町村や関係機関の支援の取組も、まとめて掲載していきます。

併せて、若い世代や女性への対策として行っている、インスタグラムでの相談窓口の案内についても、実施期間を延長して行っていきます。

こうしたことにより、自殺によって尊い命を失う方を一人でも減らせるよう、しっかりと支援に取り組んでまいります。

 

(再質問)

県の自殺対策について、新たにポータルサイトを作成するとのことだが、いつごろ開設するのか。

 

(再質問への答弁)

県の自殺対策に係るポータルサイトの開設時期について、お尋ねがありました。

現在、毎年9月が九都県市の「自殺対策強化月間」となっていますので、これに合わせて8月中にはポータルサイトを開設したいと考えています。

 

【要望】

かながわ自殺対策計画を策定して必要な施策の拡充に取り組んでいることは評価するところである。死にたいと迷い惑う人に特効薬がないからこそ、どうにかして一人一人とつながるきっかけが必要だと考える。誰にも相談できず自死を選択せざるを得なくなって苦しんでいる人に、思いとどまるきっかけとなるような気付きや、光となる施策を生み出すことが重要である。

そして、かけがけのない命をつなぐ施策を実行する取組みを、引き続き強く進めることを要望させていただく。

 

(質問要旨)

(5) DXの推進による警察業務の合理化・効率化に向けた取組と今後の方針について

治安上の課題に県警察が的確に対応し、安全で安心して暮らせる地域社会を実現するためには、先端技術を積極的に取り入れ、業務の効率化を図るとともに、業務変革や警察活動の高度化を図るためのDXを強力に推進する必要がある。

県警察では、DXに向けた取組を推進するため、昨年4月に県警察におけるDXの旗振り役として、警務課企画室内に、未来創造班を新設したと承知している。

そこで、これまで行ってきたDXの推進による警察業務の合理化・効率化に向けた取組と今後の方針について、所見を伺う。

 

(警察本部長答弁)

 DXの推進による警察業務の合理化・効率化に向けた取組と今後の方針についてお答えします。

 県警察では、少子高齢化の進展などにより、将来に向けてマンパワーの維持が課題となっているほか、急速に変容する社会に的確に対応するため、デジタル人材を育成し、積極的に先端技術を導入するなど、警察業務全体のDX化を推進する必要があります。

 こうした情勢を踏まえ、県警察では、DX実現のための指針を示す「神奈川県警察DX大綱方針」を昨年2月に策定し、各種取組を推進しているところです。

 具体的には、AIを活用して、犯罪や交通事故の発生状況等の高度な分析を行い、先制的かつ効率的なパトロールや交通事故防止対策などに取り組んでおります。

 また、RPAを導入し、集計作業やメール送信作業を自動化させるなど、手順やルールが決まっている定型作業に活用して、業務の効率化を図っております。

 このほか、民間事業者と連携したワークショップや外部講師による講演会を開催するなど、職員の意識改革に取り組んでいるところです。

 今後、組織全体でDXに向けた取組を加速させるため、デジタル人材の育成にも取り組むなど、警察業務の合理化・効率化に、一層努めてまいります。

 

 

3 気候変動に対する取組について

 (質問要旨)

(1) 魅力ある神奈川の海を取り戻す取組について

海の環境の変化により、神奈川の海は、漁場としての生産能力の低下が心配される。このことは、本県の漁業に大きな影響を及ぼすことはもちろん、レクリエーションとして釣りなどを楽しんでいる多くの県民にとっても損失である。

将来にわたり、本県水産業を支えるとともに、県民に豊かな海の恵みと潤いを提供していくには、魚が住みやすい海の環境を作り、漁場の生産力を回復させ、次世代にしっかり引き継いでいく必要がある。

そこで、魅力ある神奈川の海を取り戻すため、どのような取組を進めていくのか、所見を伺う。

 

(答弁要旨)

気候変動に対する取組についてお尋ねがありました。

まず、魅力ある神奈川の海を取り戻す取組についてです。

県はこれまで、アワビやサザエ、マダイ等の種苗を海に放流する栽培漁業により、水 産資源の維持・増大を図ってきました。

また、海藻を食べ尽くしてしまうウニの除去や、早熟カジメを大量に生産して海に移植することで、藻場を再生する取組を進めています。

しかし、気候変動に伴う海洋環境の急激な変化により、海水温の上昇や磯焼けの拡大など、様々な形で漁場の環境に影響が広がっています。

こうした状況に対応し、神奈川の海の生産力を回復させるためには、栽培漁業や藻場再生の取組に加え、二酸化炭素の吸収や水質浄化の効果もある海藻や二枚貝の養殖の拡大にも力を入れていく必要があります。

そこで、暖かい海でも育つワカメなどの海藻養殖や、真鶴町で成功例のあるイワガキなど二枚貝の養殖を県内に広めるため、先進技術の導入や、漁業者への技術指導に取り組んでいきます。

さらに、新たに養殖に取り組む際に必要となる資材の購入資金への融資や、生産物のブランド化など、経営面でも漁業者を支援をしていきます。

こうした取組により、神奈川の海の魅力をさらに高め、次の世代にしっかりと引き継いでまいります。

 

【要望】

 

他県では海洋環境の急激な変化に対応できず、不漁から廃業する漁業者が増えていると一部報道でも報じられていましたが、神奈川県も同じように海洋環境の変化に対応できない漁業者が増えているのではないかと危惧しているところです。

神奈川県は漁業従事者の人口を見ても毎年減少していることや、先程お話させて頂いた江戸前の名産品であったシャコが現在では獲れなくなっている状況や小田原では近年、漁獲量の少なかったプリが大量に水揚げされるなど、神奈川の海でも海洋環境の変化が起きており、その変化に対応できない漁業者は廃業に追い込まれるリスクがあると言えます。

そのような状況に陥らない為にも、県が主導して、他県の先進的な取組みや環境に配慮した養殖技術の研修、技術研修を受けられる場の提供を行うことが必要だと 考えます。

時代と共に変化する海に対して、新たにチャレンジできる環境を県が作ることが、魅力ある神奈川の海に繋がり、県内における海業の展開に繋がると考えますので、一層の取り組みを要望いたします。

 

(質問要旨)

(2) 県の熱中症対策について

県はこれまでも、熱中症対策として、こまめな水分補給や冷房の活用、気温上昇時には外出や運動を控えることなどについて、ホームページ等で発信してきたと承知している。

しかし今後は、特に熱中症にかかりやすい高齢者や子ども等、いわゆる「熱中症弱者」が、十分な対策をとれるよう、情報を届けるだけでなく、市町村と連携したより主体的な取組が重要となってくる。

例えば、市町村がより多くのクーリングシェルターを確保できるよう、県としても、県内各所にある県有施設の活用について検討するなど、市町村の取組を支援することも必要ではないかと考える。

そこで、熱中症による健康被害を防ぐため、熱中症対策にどのように取り組んでいくのか、所見を伺う。

 

(知事答弁)

次に、県の熱中症対策についてです。

県ではこれまで、こまめな水分補給や十分な休養、適切なエアコンの利用などの熱中症対策について、県のたよりやホームページ、企業と協働で作成したポスターなどにより、広く呼びかけを行ってきました。

しかし、温暖化が一層進んでいること、超高齢化の中で、例えば室内で熱中症になる高齢者も増えていることなどから、さらなる対策の強化が必要です。

そこで、まず、地域で設置が進みつつある、暑さからの避難場所、いわゆる「クーリングシェルター」について、今後は、県庁の庁舎や保健福祉事務所といった県有施設も活用できるようにしていきます。

また、暑さによる健康被害を受けやすい高齢者を守るため、県と協定を結ぶ企業などに対し、地域で戸別訪問を行う際は、熱中症の予防という視点も加え、見守り活動をしていただくよう働

きかけていきます。

さらに、乳幼児や子どもについては、LINEを活用した「かながわ子育てパーソナルサポート」を通じ、熱中症の注意点などをお知らせしていきます。

こうした様々な取組により、熱中症対策をしっかりと進めてまいります。

私からの答弁は以上です。

 

(質問要旨)

(3)県立学校における適切な教室の温度管理について

昨今の猛暑は先ほどの質問でも申し上げた通りであり、今年の夏も暑い日が続き、私たちの生活にも大きな影響が出るのではないかと心配している。暑さに対して厳重な警戒が必要となっている中、県立学校の教室の状況も気になるところである。今までとは異なる暑さの中で、子どもたちが学習に集中できる環境を作っていくことが大切である。

昨年の第3回定例会において、我が会派の「県立学校における教育環境の整備について」の質問に対し、教育長からは、今後、学校へのヒアリング等により実情を把握したうえで、より効果的な温度管理の手法等について検討するとの答弁があった。また、教室の暑さ対策として、校舎の断熱性の向上といった観点からも取り組む必要があると考える。

昨年質問した際に、校舎に対する断熱材の使用については、新築時に実施するとの答弁があったが、既存の校舎についても、断熱化を図る取組が必要なのではないかと考える。

そこで、教育長に伺う。県立学校における、教室の暑さ対策の現状を踏まえ、今後、教室の効果的な温度管理に向けてどのように取り組んでいくのか。また、既存校舎の断熱性の向上を図る取組についてどのように考えているのか、併せて所見を伺う。(教育長)

 

(教育長答弁)

教育関係のご質問にお答えします。

県立学校における適切な教室の温度管理についてお尋ねがありました。

県教育委員会では、教室のエアコンの設定温度について、28℃にこだわらず柔軟に調節するなど、教室の状況に応じ、適切に対応するよう、県立学校に指導しています。           

また、昨年の猛暑を踏まえ、学校の実状を把握するため、複数の県立学校にヒアリングを行いました。

その結果、エアコンから十分な冷風が出ていても、日射し対策や、空気循環をしなければ、同じ教室でも場所によって、温度に大きな差が生じることを、改めて確認しました。

そこで、暑さが本格化する前の5月に、全ての県立学校に対し、エアコン使用時には、カーテンを閉めることや、サーキュレーターで空気を攪拌することなど、基本的な対応を徹底しました。

本年も夏休み前に、各学校での教室の温度管理の対応状況を調査し、工夫した事例などを情報提供していきます。

また、校舎の断熱化については、新築や建替えの際に、全面的な対応を図ることを基本としていますが、直射日光の影響を最も受ける屋上について、今年度、8校の既存校舎で防水工事を行う際に、併せて、断熱材を施工してまいります。

 

【要望】

学校へのヒアリングなどの結果、現実的にまずは対応可能な対策を練っていただいたと思います。また、学校校舎の断熱性の向上についてですが、今年度は8校で防水工事を行う際に断熱材を使用するとの答弁がありました。この断熱性能を向上させる取組を実施した校舎で、実際にどのような効果があったのかということも今後検証していただきたいと考えています。まずは取組を進めていただくことを要望します。

 

4 県政の諸課題について

(質問要旨)

(1)中小企業のDX推進に向けた取組について

中小企業にとって、現下の人手不足はまさに経営上の大きなリスクとなっており、業務の効率化や省力化・省人化につながるDXの導入は待ったなしの状況にあると考える。

深刻な人手不足に悩む中小企業が、物価高を上回る賃上げを行っていくことは、人材を確保するうえで重要なことであり、そのためには、デジタル技術の活用によって労働生産性を向上させていくことが大変重要である。

そこで、深刻な人手不足の状況にある中小企業のDXについて、どのように取り組んでいくのか、所見を伺う。

 

(知事答弁)

県政の諸課題について何点かお尋ねがありました。

まず、中小企業のDX推進に向けた取組についてです。

深刻な人手不足に直面する中小企業が、生産性を向上させるためには、DXを推進し、業務の効率化や省力化を図ることが重要です。

県では、中小企業のDXを後押しするため、神奈川産業振興センターに、DX支援アドバイザーを配置し、中小企業からの相談にワンストップで応じているほか、「神奈川県プロ人材活用センター」において、企業ニーズに合わせたDX人材のマッチングを支援しています。

また、今年度新たに、企業内でDXを推進する人材のリスキリングを支援するため、個々の企業の課題や受講者のスキルにあわせたオンライン講座を実施します。

さらに、DXを進める事業者を資金面でサポートするため、「小規模事業者デジタル化支援推進事業費補助金」を新たに創設しましたが、公募開始から2週間で、既に130件を超える申請がありました。

DXに取り組む事業者の関心が高く、資金ニーズにも応えるものと評価しています。

県は引き続き、こうした様々な施策を通じて、中小企業のDXの取組をしっかりと支援してまいります。

 

【要望】

人手不足の解決に向けてはやはり安い労働力を入れて代替するのではなく、技術革新によって生産性向上を高めることが最も望ましいと考えています。

再質問の答弁の中で、小規模事業者に対するデジタル化支援補助金が、現時点で8月中にも予算の上限に達する見込みとのことでありましたけれども、このことは、つまり、多くの小規模事業者が、この補助金を活用して、DXを進めたいという思いがあるのだと感じています。必要に応じて予算の増額などの対応も検討していただきますように要望いたします。

 

(質問要旨)

(2) 安全・安心な出産に向けた妊婦検診への支援について

妊婦健診に関する国の調査結果が公表され、令和5年度の妊婦一人当たりの補助額を都道府県別に比較すると、全国平均に対し、本県の市町村の平均額は全国で最も低いとの結果であった。

さらに、全国では、妊婦が医療機関に持参して検診を受け られる「受診券方式」が9割を超えているが、本県では、補助額が記載された「補助券方式」を採用している状況が明らかになった。

こうした課題の解決に向け、本県としても、市町村と一体となって取り組むべきであり、妊婦の経済的負担の軽減はもとより、県内であればどこでも同じ受診券が使えるようにするなど、県が主導して市町村間の調整を行い、役割を果たしてほしい。

そこで、安全で、安心して出産できる環境を整備するため、妊婦健診への支援についてどのように取り組んでいくのか、所見を伺う。

 

(知事答弁)

次に、安全・安心な出産に向けた妊婦健診への支援についてです。

県はこれまで、妊婦健診の実施主体である市町村に対し、会議の場などで全国や県内の状況を共有し、補助の増額を働きかけてきました。

また、市町村の参考となるよう、昨年度、県内の約500の産科医療機関等を対象に、妊婦健診の費用や検査項目などを伺う調査を実施しました。

その結果、本県の市町村補助の平均額が7万6千円であるのに対し、実際にかかる健診費用の平均は12万5千円となり、5万円近い自己負担が生じていることがわかりました。

県ではこの結果を市町村に提供し、補助額の見直しを改めて呼びかけたところであり、すでに増額に向けて取り組む市町村も出ています。

今後は、妊婦の皆様の経済的な負担を更に軽減させることに加え、例えば、県内どこでも同じ受診券が利用できたり、健診結果が自動的にスマートフォンに転送されるなど、利便性を高めることも重要です。

そこで、今年度、県が主導して、市町村や医療関係団体等で構成する「妊婦健診のあり方に関する検討会」を開設し、補助額や補助の方法、利便性を高めるデジタル技術の活用などについて検討していきます。

今後も市町村等と緊密に連携し、妊婦の目線に立った、より良い支援に向けて取り組んでまいります。

 

【要望】

次に安全・安心な出産に向けた妊婦健診の支援についてであります。総務省は文章で、妊婦の自己負担が発生しないよう、公費負担の推進に取り組むことと書かれているような通知を地方公共団体に発出しています。

広域自治体である県は、総務省が発出した文書を実現させるための調整はもちろんのこと、県内自治体間であれば、どこでも受診券が使えるように調整する役割があると考えています。

答弁でもいただきましたけれども、デジタル技術などを活用して、この取組を推進していただきますように要望いたします。

 

(質問要旨)

(3) 国民スポーツ大会のあり方について

令和6年4月8日に宮城県知事が、国民スポーツ大会について「間もなく2巡目が終わるので、3巡目以降どうするのか、47都道府県が抱える共通の課題として検討を始めており、個人的な考え方として、廃止も一つの考え方ではないか」との見解を述べた。

この発言をきっかけとして、全国の知事から様々な意見が出され、その多くは開催地の負担が重いことを理由に、このままでは、国民スポーツ大会を開催することは難しい、というものであっ  

た。       

いずれは本県も3回目の大会を開催することとなるのだから、決してこの問題は対岸の火事ではない。国民スポーツ大会のあり方について、神奈川県としての考えを、県民に分かりやすく、発信していくべきであると考える。

そこで、国民スポーツ大会に対する評価と今後のあり方についての考えと、県としての対応について所見を伺う。 

 

(知事答弁)

次に、国民スポーツ大会のあり方についてです。

国民スポーツ大会は、選手の強化や会場の整備といったスポーツの振興に加え、地域活性化にも大きく貢献してきました。多くのアスリートが出場を目標にしている大会でもあります。

しかしながら、大会を現在の姿のまま続けることは困難です。課題をしっかりと検討し、持続可能な大会にしていく必要があると考えています。

もっとも大きな課題は、財政負担です。近年の開催経費は膨大な額になっており、ほとんどが地元の開催県の負担であることから、次は開催できないとの意見が知事の間で続出しています。

そこで、例えば主な要因である施設整備について、基準の緩和や他県の既存施設の活用をさらに進めるなど、運営面での工夫を図っていく必要があります。

もう一つの課題は、大会に対する関心です。国民スポーツ大会は、以前は大きな注目を集めましたが、今日では開催地を除くと話題にのぼることも少なくなっています。

そこで、日本中の国民が、大会を観たい、会場に足を運びたいという気持ちを抱けるように、知恵を絞っていく必要があります。

国民スポーツ大会のあり方については、全国の知事の声を受け、共同開催者である日本スポーツ協会が、本格的な検討を始めようとしています。県としても、全国知事会と連携し、しっかりと意見を伝えていきます。

 

(質問要旨)

(4) マイクロプラスチック対策について

県環境科学センターでは、マイクロプラスチックに関する調査研究を実施しており、令和4年5月に調査結果をとりまとめて公表していると承知している。しかし、この調査結果が県民に広く知られていないのではないかと懸念している。

マイクロプラスチックを削減していくためには、これまでの研究成果を県民に分かりやすく伝え、理解と協力を得るとともに、行動変容を促していくことが重要と考える。また、調査研究を継続的に進め、その内容を更新していくことも必要である。

そこで、マイクロプラスチック対策について、県として今後どのように取り組んでいくのか、所見を伺う。

 

(答弁)

最後に、マイクロプラスチック対策についてです。

県では、平成29年度以降、マイクロプラスチックの発生源を把握するため、海岸や河川などで実態調査を行ってきました。

その結果、相模湾に漂着するマイクロプラスチックは、内陸部から河川を通じて海に流出している可能性が高いことや、その主な要因が、プラごみだけでなく、人工芝や三角コーンなどのプラスチック製品の劣化にもあることがわかってきました。

そこで、まずは、フォーラムやイベント、あるいはSNSを活用して、マイクロプラスチックになりやすいものを、県民の皆様に具体的にお示し、周知を図っていきます。       

また、子どもたちにもマイクロプラスチックの問題に興味を持ってもらえるよう、プラごみ問題を題材として作成した映像教材の更なる活用に努めます。

さらに、マイクロプラスチックの排出実態を把握するため、今後も調査研究を継続していきます。

加えて、現在、大学や民間企業等でプラスチックの代替となる素材の開発や普及に向けた実証などが行われておりますので、こうした状況を注視しつつ、県の支援についても検討していきます。

このように、県は、県民一人ひとりがこの問題を自分事として捉え、問題解決のための行動変容につながるよう、しっかりと取り組んでまいります。

 

【要望】

マイクロプラスチック対策としては、発生抑制に取り組むことは必要でありますが、一方で、海洋に流れてしまったプラスチックごみを回収することも重要だと考えています。川崎市では臨海部における脱炭素化に向けたカーボンニュートラルポートの形成を推進しており、参画企業と共に川崎港の海面清掃により回収した海洋プラスチックごみをリサイクルする実証実験を行っているとのことであります。

神奈川県も海上交通の取組に力を入れていることから、例えば、海上タクシー等の航行中の船舶による回収などの取組についても、今後部局横断で検討していただけますように要望いたします。