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Report活動報告

神奈川県議会令和3年第1回定例本会議一般質問 要旨・答弁・要望記録

 1月8日から2月25日まで第1回定例本会議が開催されました。「フードバンク及びフードドライブ支援について」「県内消費喚起対策事業について」など、6項目を、黒岩知事はじめ各局に質問しました。ご報告させていただきます。

 

 令和3年2月24日(水)  菅原あきひと議員 (会派:立憲民主党・民権クラブ)本会議  一般質問

 神奈川県議会インターネット議会中継-録画映像 (jfit.co.jp)

 (録画映像:令和3年第1回定例会一般質問)

 

(質問要旨)

1 コロナ禍における重要な施策について

 

(菅原質問)

(1) フードバンク及びフードドライブ支援について

新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、NPO法人等が行う生活困窮者支援の利用者が増えている。フードバンク及びフードドライブ活動もその一つであると認識しているが、昨年の「全国フードバンク推進協議会」による加盟団体の活動状況に関するアンケート調査では、「解決したい課題の優先順位」の1位は、運営費不足であった。

食品の受け入れから発送までの物流コストや事務的経費は、物流の増加により膨れ上がることから、こうしたフードバンク活動団体に対して、これまで以上に寄り添い、活動を支えるべきである。

そこで、新型コロナウイルス感染症の収束が未だに見通せない中、食料の受け取りから支援、という流れを止めないために、県としてフードバンク事業を行う団体に対し、これまで以上の支援が必要であると考えるが、所見を伺いたい。

 

(知事答弁)

菅原議員の御質問にお答えします。

コロナ禍における重要な施策についてお尋ねがありました。

フードバンク及びフードドライブ支援についてです。

コロナ禍の長期化は、失業や休業など県民の暮らしに色濃く影響を及ぼしています。

県は、フードバンク団体や市町村から、収入が減少し、生活にお困りの方からの食品提供の要望が増えていると聞いており、フードバンク活動は、コロナ禍の生活困窮者支援において、大切な役割を果たしていると認識しています。          

これまで県では、食品ロス削減の観点からは、フードバンク活動を企業に周知するとともに、未利用食品が出る可能性のある食品製造業者に対しては、フードバンク団体の情報を提供するなど、フードバンク活動を支援してきました。

こうしたフードバンク活動とコロナ禍の生活困窮者支援をつなげるためには、フードバンク団体と生活困窮者の相談窓口などを設置する市町村が、しっかり連携して対応することが大切です。

また、フードバンク活動を通じた生活困窮者支援が継続できるよう、こうした団体の活動に対する行政の後押しが必要です。

そこで、県は、今年度中に開催する市町村の生活困窮者自立支援の担当者会議などの中で、フードバンク団体と各市町村との連携の状況を共有します。

また、フードバンク団体に対して食品の保管場所の提供や財政支援などを行っている市町村の好事例を、他の市町村に紹介し、団体と市町村の連携を促進していきます。

県は、フードバンク活動が地域に定着し、コロナ禍の生活困窮者支援に生かされるよう、市町村とともに取り組んでいきます。

私からの答弁は以上です。

 

(菅原質問)

フードバンク活動の支援にあたっては、食品のロスを削減するという項目と、食の支援を求める方々へ支援するという項目で、県の所管も分かれていると思いますが、今後どのように連携して  取り組んでいくのか伺いたいと思います。

 

(知事答弁)

 フードバンク活動の支援は、生活困窮者支援の側面だけでなく、食品の有効活用による資源循環や、消費者への意識啓発といった側面もあります。

県では、食品ロスの削減に向けた庁内連絡会議を設置しまして、この会議にはSDGs推進部門をはじめ、環境農政部門や福祉部門が参加しておりますので、こうした会議なども活用し、フードバンク活動への支援に、庁内横断的に取り組んでまいります。

 

 

【要望】

お金を集める活動ではないが、活動資金が無ければ直ぐに行動することができない、という担当者の言葉が非常に印象的でありました。フードバンク及びフードドライブを行う、利用される方の中には、生活に困窮してしまった方が多数いらっしゃるのではないかと推測しています。事実、9月7日、京都新聞の記事ではありますが、母子家庭18%食事数減、との記事も拝見致しました。子どもたちには二食で我慢してもらい、私は一食が当たり前、3か月で体重が激減した、などという記事が掲載されており、県内でもそう大差のない現実があると思うとやりきれない気持ちになります。

知事から御答弁承りましたが、私の質問に対して、総論としては前向きな回答をいただけたと理解しておりますが、行政が直接支援をするといった各論については、踏み込んだ回答はいただけなかったと理解しています。

また、私が訪問したフードバンクかながわさんでは、農林水産省の食料産業・6次産業化交付金が今年度末で時限を迎えます。知事は県民のいのちと暮らしを守り抜くという言葉を使っていらっしゃいますので、私が申し上げたことにも、特段の配慮を要望します。

 

 

(質問要旨)

1 コロナ禍における重要な施策について

 

(菅原質問)

(2) 県内消費喚起対策事業を通じたキャッシュレス決済の促進について

来年度実施予定の「県内消費喚起対策事業」では、QRコード決済を用いると聞くが、高価な読取機器が不要で手数料も割安であることから、安価な設備投資による生産性向上が期待される。

本事業の実施にあたっては、長い目でみてキャッシュレスという支払いツールが実施店舗や社会全体で持続的に利用されるようなスキームにするよう要望してきた。キャッシュレス都市KANAGAWAは、将来を見据えた施策展開であり、「消費喚起対策事業」に期待する部分もあるのではないか。

そこで、キャッシュレス決済は、Withコロナにおける「非接触型支払いツール」であり、「個人消費の呼び戻し」や「安価な設備投資による生産性向上」が期待されているが、キャッシュレス都市KANAGAWAの実現に向けて、来年度実施予定の「消費喚起対策事業」に、今後どのように取り組むのか、見解を伺いたい。

 

(産業労働局長答弁)

産業労働局関係の御質問にお答えします。

県内消費喚起対策事業を通じたキャッシュレス決済の促進について、お尋ねがありました。

キャッシュレス決済は、短時間でスムーズな支払いが可能であり、また、現金に直接触れずに済む、感染防止対策としても有効な支払い手段であることから、今後、さらに推進をしていく必要があります。

県では、平成30年に「キャッシュレス都市(シティ)KANAGAWA宣言」を行い、県税の支払いのキャッシュレス化や、決済事業者と店舗等とのマッチングなどにより、その推進に取り組んできました。

また、コロナ禍で落ち込んだ需要を喚起するため、キャッシュレス決済時にポイントを還元する「県内消費喚起対策事業」を、感染状況を見ながら、来年度実施する予定としています。

この事業の主な目的は、経済対策のための消費喚起ですが、この事業を通じ、キャッシュレス決済も促進していきたいと考えています。

そのためには、なるべく多くの店舗等にご参加いただき、キャッシュレス決済を利用できる場所を増やすことが重要です。

そこで、まず、多種多様な店舗等にご参加いただけるよう、GoToイートのように対象を飲食店のみに限定するのではなく、幅広い業種を対象とする方向で検討しています。

また、店舗側の参加に向けたハードルを下げるため、初期投資の負担がない、二次元コード決済を採用する予定です。

さらに、この事業の受託者となった横浜銀行等とも連携して、効果的な広報活動を行い、できるだけ多くの店舗等に参加していただけるよう、取り組んでいきます。

こうしたことによって、参加店舗数を増やし、利用者の利便性を高めることにより、県内の消費喚起と併せて、キャッシュレス決済の促進も図ってまいります。

答弁は以上です。

 

 

【要望】

次に、県内消費喚起対策事業を通じたキャッシュレス決済の促進についてです。

昨年は、決済事業者の情報漏洩等もあり、システムの安全性に疑義が生じる事態も発生したところであり、決済事業者には、より一層の安全対策が求められているところであります。そして、県が消費喚起対策事業で利用するシステムに、そんなことがあってはなりません。

そして、スキームについてですが、県民が利用しやすいものになっているか、また、お店側、消費者側にとって持続的に利用できる事業であるかが重要であります。詳細については、常任委員会等でいたしますが、広く参加店舗を集めるには、手数料と支払いサイトが鍵となります。まだまだ手数料がゼロで運営している事業者もありますので、包括的に優位性を保てるようにしていただくことを要望します。

 

 

(質問要旨)

2 県政の諸課題について

 

(菅原質問)

(1) ふるさと納税制度における返礼品の充実について

本県では、ふるさと納税による寄附の受入額は約1億円であるのに対し、県民税の減収影響額は寄附額を大きく上回る90億円にも上る状況である。減収額の全てを寄附で取り戻すのは難しいと理解しているが、寄附額を少しでも増やす努力が必要であると考える。

昨年の第3回定例会の我が会派の代表質問において、更なる寄附の獲得に向けて、「寄附事業の選択肢拡充やその活用内容の一層の明確化を図る」との答弁があった。これらの取組以外にも、寄附者の更なる関心や共感が得られ、選んでもらえるよう返礼品の充実にも取り組む必要があり、神奈川のファンを増やすことで、観光をはじめとする県内の事業者の活性化にもつながるのではないか。

そこで、より魅力的な返礼品づくりや返礼品の種類の拡充などにより、一層の充実に努めていくべきと考えるが、所見を伺いたい。

 

(知事答弁)

県政の諸課題についてお尋ねがありました。

まず、ふるさと納税制度における返礼品の充実についてです。

ふるさと納税については、平成20年度の導入以来、全国的に件数・金額ともに増えてきております。

こうした中、本県を含む都市部の自治体では、多額の減収影響が生じていますが、本県としては、いわゆる「返礼品競争」とは一線を画しながら、「本県を応援したい」、「寄附したい」と思っていただける魅力ある施策項目の充実と、その積極的な発信に努めています。

一方、ふるさと納税の返礼品には、観光資源や特産品を県外の方にPRするという効果があります。

そこで、本県では、寄附をされた方に感謝の意を表するとともに、実際に神奈川の各地を訪れて、本県の魅力を実感していただくため、体験型ツアーの参加券を、ふるさと納税の返礼品としてきました。

こうした中、新型コロナウイルス感染症の拡大により、県産品の販路が減少していることから、事業者の皆様を応援するとともに、特産品を県外の方にPRするため、昨年11月からは、「かながわの名産100選ギフトセット」を新たに返礼品に追加しました。

このギフトセットは、「かながわの名産100選」に選定された特産品を最低一つは含めることや、複数の市町村の特産品を詰め合わせることを要件としています。

例えば、県産米「はるみ」と横須賀市の海軍カレーを組み合わせた「金曜日はカレーの日セット」など、県産品の魅力を効果的にPRする内容となっています。

このギフトセットは、現時点では7事業者による23種類にとどまっていますが、「かながわの名産100選」には様々な特産品がありますので、今後も広く事業者を募り、内容を充実させていきたいと考えています。

県としては、体験型ツアーやギフトセットを充実させることにより、広く県外の方に本県の魅力をPRし、観光をはじめとする地域の活性化につなげてまいりたいと考えています。

 

 

【要望】

ふるさと納税制度における返礼品充実についてであります。

本県の場合、約89億円の財源がその他の自治体に流出していることになり、その4分の3は国からの補填がありますが、残りの4分の1は補填されないのであれば、やはりこの差額をいかに

小さくしていくかを考えなければなりません。

県の県産品と神奈川の魅力を発信するツールという認識は一定程度理解するところでありますが、成果が上がらないのであれば、戦略の練り直しも必要です。

確かに、どこを成果にするかについては議論しなければなりません。

そして同時に、自由競争を煽ることについて、賛否があると考えていますが、現実はそうであるという認識をいただければと存じます。

また、ふるさと納税制度についてですが、本県だけではなく、県内の基礎自治体でも財源が流出している自治体もあると伺っています。

財源が流出している自治体かつ、地方交付税の不交付団体であれば、より厳しい財政運営を強いられていると思います。

追い詰められれば、返礼品競争に参入していくことも考えられますので、特段の配慮を国に要望していただくことをお願いします。

 

(質問要旨)

2 県政の諸課題について

 

(菅原質問)

(2) 結婚支援について

結婚を希望する人を支援していくことは、夫婦の完結出生児数の推移をみれば少子化対策の一つとして非常に有効であると考えるが、国立社会保障・人口問題研究所の調査によれば、結婚に踏み切れない主な要因は経済的理由とされている。

国は、地域少子化対策重点推進交付金の中の結婚新生活支援事業により、結婚支援を実施しているが、県は、その実施主体である市町村に対する積極的な活用の促進等が必要である。少子化という国難は着実に進行しており、コロナ後も見据えた、少子化対策の一つとして、市町村と協調した結婚支援・地域少子化対策重点推進交付金の活用にしっかりと取り組んでいくことが重要である。

そこで、地域少子化対策重点推進交付金の更なる活用を含む結婚支援にどのように取り組んでいくのか、所見を伺いたい。

 

 

(知事答弁)

次に結婚支援についてです。

結婚は、個人の考えや価値観に関わる問題ですが、結婚を希望する人がその願いをかなえられるよう、前向きな一歩を踏み出すための環境づくりが重要です。

このため県では、市町村や企業など、県内の多様な主体が参加して結婚支援を進めるためのネットワークである「恋カナ!プラットフォーム」を構築しています。

また、プラットフォームに参加している市町村等が行うセミナーや、出会いの場を提供するバスツアーなどの取組を、県のホームページである「恋カナ!サイト」で紹介しています。

コロナ禍である現在は、対面でのイベントが難しいため、紹介する取組は、オンラインでの開催など工夫したものになっています。

国でも、結婚に伴い必要となる引っ越しなどの費用を補助する「結婚新生活支援事業」を「地域少子化対策重点推進交付金」の取組に位置付け、市町村の活用を促しています。

しかし、この国の事業は、年齢や所得などの要件が厳しいこともあり、本県では4町村の活用にとどまっています。

令和3年度から、国もこの事業の活用促進に向け、要件を緩和しますので、県はこの機をとらえ、改めて市町村にこの事業を周知しながら、今後の「恋カナ!プラットフォーム」での取組内容についても、市町村と意見交換を行っていきます。

県としては、今後も、結婚を希望する人が前向きな一歩を踏み出すための環境づくりに、取り組んでまいります。

私からの答弁は以上です。

 

【要望】

結婚支援についてであります。

現状では、男性の年収別有配偶率では、一定の水準までは、年収が高い人ほど、配偶者のいる割合が高い傾向が統計上示されており、日本社会の大きな課題です。

働く者の平均給与が下がっていることが、課題であると認識していますが、今回の国が行う予定である「地域少子化対策重点推進交付金」には、一定程度期待しています。

しかし、県内でも、交付金を活用している自治体は、4町村と少ないのが実情です。スキーム上は、国が、各市町村に対して、最大1/2の補助を行うことになっており、国の令和3年度予算案には、対象要件が緩和される見通しであり、市町村の動向を注視していく必要があると考えます。

しかし、それでも、導入が進まない場合には、県主導型の導入や、国への要望を踏まえつつ、県が、より対象要件を緩和したスキームを提案することが必要なのではないかと考えます。日本国のゆく末を案じ、県も具体的な施策を行うことを要望いたします。

 

 

 

 

(質問要旨)

2 県政の諸課題について

 

(菅原質問)

(3) 迷惑電話防止機能を有する機器の普及について

県では、今年度から、特殊詐欺の未然防止に極めて有効と言われる迷惑電話防止機能を有する機器の設置補助事業を開始した。令和4年度までに1万5,000台分の補助を計画しており、今年度は、市町村から要望のあった台数に、全て応えていると聞いている。

一方で、この事業を活用したのは全ての市町村ではなく、特に、認知件数が多い横浜市では、行政区単位で対応が異なっており、普及促進に温度差が生じているとも聞いている。特殊詐欺被害の抑止のためには、市町村と緊密に連携し、本事業による機器の導入により、実効性を高めていくことが重要であると考える。

そこで、特殊詐欺被害防止に向け、迷惑電話防止機能を有する機器の設置は重要な取組であり、その促進のためには県内市町村との連携が不可欠であると思うが、見解を伺いたい。

 

 

(くらし安全防災局長答弁)

くらし安全防災局関係のご質問にお答えします。

迷惑電話防止機能を有する機器の普及についてお尋ねがありました。昨年の県内における特殊詐欺は、前年より、件数、被害額とも減少しましたが、最近では、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種に便乗するなど、その手口は、ますます巧妙で悪質になっています。

そこで県は、高齢者が犯人からの電話に出ない対策として、今年度から新たに、市町村を通じ、迷惑電話防止機能を有する機器に対する補助を始めました。

県は、令和4年度までの3か年で、1万5,000台の設置を目標にする中、今年度、市町村から約4,100台の申請がなされ、これらすべてに交付決定を行いました。

しかし、この事業を活用した市町村は、横浜市の一部の区と10市町村にとどまっています。

そこで県は今後、特に特殊詐欺の被害が多い市町村を重点に、この事業の活用について、さまざまな機会を通じて、積極的にきかけていきます。

また、市町村と連携して、この事業で実際に機器を設置した世帯にアンケートを実施し、その効果などをわかりやすく広報していきます。

さらに、若い世代に向けた特殊詐欺被害防止の啓発動画を作成し、高齢者だけでなく、身内の子や孫にも、迷惑電話防止機能を有する機器の有効性を知ってもらう工夫を図っていきます。

県としては、こうした取組を通じて、引き続き、市町村や県警察などと連携しながら、特殊詐欺被害ゼロを目指し、安全で安心なまちづくりにしっかりと取り組んでまいります。

 

 

【要望】

迷惑電話防止機能を有する機器の普及についてです。

迷惑電話防止機能を有する機器は、犯人からの詐欺の電話を遮断するという、今までの防犯対策と比べ、より効果の高い一歩進んだものであると考えます。

本機器の普及は、県民が安全で安心して暮らせる社会を実現する上で、非常に重要な取組であることから、市町村と強力に連携し、発生の状況や機器の有効性をしっかり共有し、取り組んでいただくよう要望します。

 

 

(質問要旨)

2 県政の諸課題について

 

(菅原質問)

(4)土砂災害対策について

土砂災害対策については、県では、国の「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」の活用とともに、「神奈川県水防災戦略」に基づき、ハード対策として、土砂災害防止施設の整備を計画的・重点的に進めているが、国は「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」を昨年閣議決定し、今般補正予算が成立した。

一方、土砂災害防止施設の整備完了まで多くの時間と費用を要するため、ソフト対策として、危険箇所の周知や住民の避難を促す土砂災害警戒区域等の指定に向けた取組を進めていることは承知している。昨年の第1回定例会における我が会派からの質問に対し、概ね令和2年度末までの指定完了を目指すとの答弁があったが、ソフト対策を確実に進めていくことも重要である。

そこで、ハード対策・ソフト対策の両面から、本県の土砂災害対策を、今後どのように進めていくのか、見解を伺いたい。

 

(県土整備局長答弁)

県土整備局関係の御質問に、お答えします。

土砂災害対策についてお尋ねがありました。

県では、土砂災害から県民のいのちを守るため、施設の整備などのハード対策や、危険箇所の周知などのソフト対策の両面から、取り組みを進めています。

まず、ハード対策についてです。

現在、災害が過去にあった箇所や住宅が多い箇所、社会福祉施設等の要配慮者利用施設があるなど、優先度の高い箇所から、がけ崩れや土石流を防ぐ土砂災害防止施設の整備を進めています。

施設整備を必要とする危険な斜面や渓流は、県内に約3,300箇所あり、その整備率は約5割という状況です。

そこで、県は、激甚化、頻発化する土砂災害から県民の生命、財産を守るため、防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策の財源を最大限活用し、水防災戦略の計画額を上回る予算を計上して、これまで以上のスピードで、ハード対策に取り組んでいきたいと考えています。

次に、ソフト対策についてです。

土砂災害警戒区域、いわゆるイエローゾーンについては、住民の皆様に、地域の危険度を周知し、大雨時などに迅速な避難を促すために指定するもので、平成28年度までに、県内全ての地域で、指定が完了しました。

さらに、特定の開発や建築物の構造を規制する土砂災害特別警戒区域、いわゆるレッドゾーンについては、新型コロナウイルス感染症の影響もありましたが、残る急傾斜地の指定に必要な現地調査などが全て完了し、令和3年1月にその結果を公表しまのいのちを守る土砂災害対策に、全力で取り組んでまいります。

 

(菅原質問)

土砂災害特別警戒区域、いわゆるレッドゾーンの指定については、出来る限り早期の指定完了を目指すとの答弁がありましたが、指定完了の具体的な時期について伺いたい。

 

(県土整備局長答弁)

指定完了の時期については、各市町の意見聴取などを行い、5月末までの完了を目指します。

 

【要望】

近年の災害は、激甚化していることから、土砂災害警戒区域等の指定を進めていることは、県民の生命と財産を災害から守ることにつながると感じております。

様々な理由から令和2年度末までの指定が間に合わず、来年度5月であるという答弁がありました。

指定完了が終了ではなく、これから県民に、住む方々に周知し、災害時にはいち早く避難していただくことが重要であると考えておりますので、局の枠組を超えた取組を、行っていただくことを要望します。

 

昨年から続く新型コロナウイルス感染症拡大で社会全体が大きな影響が出ていることは周知に事実です。その中で議会に与えられている役目も改めて認識し、少しでも県民の皆様に寄り添えるか、これからも日々考え、行動していきたいと思います。